症例:29 ジルコニア7本のブリッジ

この方は、10年ほど前に当院にて、上の前歯に「オールセラミックスクラウン」の治療ををされました。

しかし、先日、転倒された際に右上の犬歯の根が折れてしまいました。(歯根破折と言います)

それと同時に、左上の歯も、ややグラグラ(動揺と言います)になってしまいました。

そのため、まずは、既存のクラウンをすべて外しました。

同時に、右上の犬歯を抜歯。

さらに、左上の前歯を連結固定するため、強度の強いジルコニアにて、7本連結したブリッジを製作しました。

 

なお、通常の場合は、すぐにジルコニアにて製作を始めますが、今回は7本分の大きなブリッジのため、先に原型となるブリッジを「レジン」にて製作しました。

そして、患者様のお口の中で咬みあわせ等の調整を行い、患者さん自身に形を確認して頂きました。

その上で、この原型のレジンをパソコンでスキャンし、「そのままの形で本物のジルコニアのブリッジを製作する」という工程を取らせていただきました。

そのため完成時には一切の調整なく装着することができました。

 

なお、歯の色についてですが、白い歯がご本人の希望でしたので、可能な限り白く作りました。

 

治療費: ¥1,367,000


副作用とリスクについて

ジルコニアベースの場合:メタルセラミックの金属の代わりに、ジルコニアでベースを作りその外装にセラミックを焼き付けて製作しております。強度は高いのですが、外装のセラミックのみ破折する場合がございます。

フルジルコニアの場合:上記の中で最も強度があると思われるが、オールセラミックのような透明度はなく、色調再現が難しいです。

自分の歯を削らなければいけません。

治療中、仮歯で過ごす期間があるので、本物の歯に比べると噛みにくかったり、審美的(歯の色)に不自然になることがあり得ます。

 

 

なお、こちらは、この患者様の最終補綴物を作製するの前に作製した、噛み合わせや、形態を確認するための仮歯です。

 

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